ペンス米副大統領、香港デモで中国けん制
【ワシントン=中村亮】ペンス米副大統領は19日、香港での「逃亡犯条例」の改正案をきっかけにした抗議活動について「米国が中国と(貿易で)合意するには中国政府が1984年の中英共同宣言に盛り込んだ香港の法律の尊重を含む約束を守る必要がある」と強調した。「高度な自治」を香港に認めた中英宣言に触れ、中国政府が香港の民主的なデモ活動を武力で鎮圧しないようけん制した。
中西部ミシガン州デトロイトのイベントで語った。ペンス氏は「米政権は中国政府とデモ隊に対して平和的に意見の相違を乗り越えるよう求めていく」と強調した。ペンス氏はこれまでも中国政府が新疆ウイグル自治区でウイグル族を弾圧しているなどと厳しく批判しており、中国の人権問題で譲歩しない姿勢を改めて明確にした。
ペンス氏は米中貿易協議にも触れて「我々は中国との生産的な議論の過程にいる。議論は今後数週間は続く」と説明。9月開催で調整する閣僚協議の実現に期待感をにじませた。一方で「大統領が明確にしているように合意は我々に有利なものでなければならない。これまではあまりにも長期間にわたって中国に有利だったからだ」と強調し、貿易交渉に厳しい姿勢で臨む考えを改めて示した。
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